m

odel-f-plus.

■03.02.15(土) テアトル池袋で行われた押井守シネマ・トリロジー/初期実写作品集発売記念イベント『押井守ナイトショウ』の模様です。 このイベントの詳細は野良犬の塒さんがそれはもう詳しくとりあげていらっしゃるのでそちらをご参考に。

 [※注釈]僕はいわゆる『押井信者』と呼ばれるほどの押井ファンというわけではありません。そして今回のこのイベントで上映された3作品( 赤い眼鏡、ケルベロス、トーキングヘッド)は初体験、氏の初期映像関連も全てチェックしている訳ではありませんので、突込みが甘いよ!的な指摘はできればご遠慮頂きたく。 それに記憶が欠落している箇所が多々ありますので、記憶違い等は多々にご容赦下さい。

 午後3時から整理券を配布、午後11時を目処に再集結、23時半前後からイベント開始。 BVの桑島氏、UNDERSELLの大塚氏、菊崎氏を交えてのDVD得点映像およびそれにまつわるエピソード千葉氏、藤木氏、兵頭さんを交えた映画撮影時のお話、押井氏の新作のプロデューサーのくろがね氏を交えた座談会。 プレゼント抽選会の後、該当三作品の一気上映、イベントの流れはだいたいこんな感じ。>参考リンク UNDERSELL News[20030211]

 □イベント前
  >友人のハセベ氏から、このイベントに参加しないか?とのお誘いを受ける。 彼曰く、『先着100名様に紅い眼鏡公開当時のポスタープレゼントがあるから、早めに行きます。 徹夜も辞さない勢いです。』とのことでしたので、それに付き合って早めに集合しようということに。 ハセベ氏は会場に6時、僕は8時過ぎに現地へ。

『押井守ナイトショウpics』

現地へ向かってみるとハセベ氏が一番、僕が二番手。 3番手の人は10時過ぎ頃に集まってきていたので杞憂しすぎの感があったなぁ、ということで。 でも面白かったからよし。

並んでいた時に、映画館のスタッフからお声を掛けられる。 折角の機会だったので、お話をちょっと伺ってみました。 彼曰く、今回のイベント用フライヤーはパトIIIのスタッフが手がけたもので、企画の立案はバンダイビジュアルさんから。 プレゼント用のポスターは人狼のイベントの時に散々配布してもうでてこないだろうと思っていたところ、また100部発見されたので、折角なのでプレゼントしちゃおう!ということになったそうです。

『押井守ナイトショウpics』

整理券の配布後、少し時間的に余裕があった為、一時帰宅。 その後午後11時過ぎに再集合したのですが、ハセベ氏がこんなお姿に。

『押井守ナイトショウpics』

 □イベント内容
  >トークショー
押井守氏(監督)、大塚ギチ氏、菊崎亮(UNDERSELL / 特典映像スタッフ)、司会桑島龍一氏(バンダイビジュアル) を囲んだ座談会。 

この座談会の前に上記DVDの映像特典である「DOG DAYS AFTER〜女たちの押井守」の上映。 内容は上記作品に関わった女性キャストへのインタビュー、テーマは『女性の目から見た押井守監督について。』 関連映像等、該当映像を見たことがない者としては挿入される映像はよくわかりませんでしたが、インタビューの流れは押井氏本人にスポットが当てられているので理解できないということはありませんでした。 そして出演している女性陣が一様に撮影に関わっている間の監督はいることが判らない(意識しない)ことが多かった、けど(監督は)素敵な人です的なニュアンスの会話が延々と。

それを踏まえて押井氏を交えたトークショー。 

>今回のこの映像特典の企画はどのように? →押井氏を交えて食事をしている時に『映画出演者(女性)から見た押井守監督像はどんな感じなのかな?』的インタビューを撮ってみるのはどうだろう?という案がでた。 この手の特典映像って監督とか、とにかく偉いおじさんがでてくることが多いから、女性が出てきたほうが見てる人も楽しいし、(押井監督としても)知りたいことがわかるから、一挙両得でしょ?(監督談)

それでその映像製作に対して白羽の矢が立ったのがUNDERSELLの大塚氏と菊崎氏。 簡単に言っちゃうと、『先輩(監督)がそこにいる女の子(映画出演者)が先輩をどう思ってるのか聞いてこいよ!』見たいな感じなんですよねー、と。この企画立案者の桑島氏や、監督(先輩)にしてみると、辛らつな内容だったりするとネタになっていいかも?なんて思っていたそうですが、それとはまったく逆の賞賛の嵐で、インタビューワーとしても、ネタ振り的話題作りにはなんないし、むしろそんなのろけ的話は聞きたくないやい!ってそんな感じだそうです。(ご愁傷様です。)

 そんな流れの中で押井監督の女性観に。 ご本人曰く、最近実像としての女性に興味がでてきたということで(コレは他の媒体で公言していますよね。)その辺りの感情の変化が今作っている新作(攻殻2)にも影響しているはずとのこと。 わかりやすい言葉でいうと『萌え』的な感情さえも生まれてきている( ! )そうです。 そして、(恋愛的に)なにもしないで老いていく人を横目で見ながら、そうじゃない自分を発見できたことは素直にうれしいと感じている、と。

女性陣が一様にコメントしていた『距離感』的なものについては、半分は意識してやったことだけど、半分はよくわからない。 でも、恋愛だって『距離感』が必要なんですよ! そう、魚雷とかミサイルのように、射程距離が近すぎると起爆しないし、使い物にならない訳で。 これを聞いた大塚氏曰く、『押井守が語る恋愛観、それは恋愛は魚雷だ!』

 その後、映画キャストの皆さんを囲んだ映画後日談。 (映画関連エピソードはスミマセンが割愛。) でもその中で印象的だったのが、押井氏の映画キャストを決める基準というものが、先につくったイメージを優先するというよりも、偶然決める機会が多かったという一節。 現に、藤井氏(ケルベロス主役)は偶然セッティングされた喫茶店で主役に抜擢されたことや、兵頭さんは以前出演を依頼した後にもう一度映画に出てもらいたくて、映画の詳細を詰める前に出演を決めてしまったこと、等々。

 そして、近日公開予定の押井監督の最新作、『KILLERS』について。 ちょうどこれの撮影と平行して攻殻2の作業が行われていたのと、低予算映画というのを含め、撮影にかけられる日数は限られたものとなっていた。(3日程度) けれども、その中で出来る最良のものになりました、とプロデューサー氏。 この作品の見所のひとつはこの為にフルスクラッチされた50口径のライフル。 製作費の大半をこのライフルに掛けましたが、それは意味のある行為なのです、とのこと。

この短編作品はアマチュア監督のデビュー支援の意味合いを含めたオムニバス方式。 プロの監督3人(きうちかずひろ氏、大川俊道氏、押井守氏)はそれぞれガンアクションについては一言持つ面々であるのですが、それだけでお金を出してくれるほど日本の映画界は甘くないです。(押井氏談)

このDVDシリーズのキャッチコピーを、『君はこの睡魔に耐えられるか!』にしようとしたのですが、さすがに却下されました。(大塚氏談)

DVDBOXのジャケットはproductionIGの西尾氏。 映画のスチールを元に着色したものなんだそうです。

  『押井守ナイトショウpics』 『押井守ナイトショウpics』 『押井守ナイトショウpics』

 そして折角なのでこの3作品についての個人的感想などを。

 □紅い眼鏡 
  >個人的に押井監督の初期作品はスモーキーなイメージ(藤原カムイ氏版犬狼伝説のような)があったのですが、この作品は大きなストーリーのループと小さなループが絡み合ううねりのようなものだな、と感じました。  イベントの中で押井氏が『実写作品でも、アニメでも演出へのアプローチは同じです。』とコメントしていましたが、確かに僕が感じる『押井台詞』であったり、『押井的演出』の骨子は既に出来上がっていて、それをブラッシュアップされたものが現在の押井スタイルの元になっているような印象を持ちました
。 でも、その現象や対象に対するアプローチの仕方は現在より判りやすいかも。

それと個人的に驚いたのが、劇中の『紅い少女』の存在。 このようなファンタジック且つ
リリカルなキャラクターが作品に登場してくるとは。 

 □ケルベロス
  >結構寝てしまったようで、この作品についてはコメントしずらいです。 この作品は冒頭と物語のクライマックスで登場するプロテクトギア関連シーンと、心象的表現よりむしろ牧歌的光景を再現する為だと思われる台湾ロケ部分の温度差がすごいですねぇ。 

プロテクトギア登場シーンはケレン味重視の演出がされていて見ていて素直にかっこよいなと。 ザクのモノアイのように光りそうそうな時には目が光るし、劇中のMG42(マシンガン)を用いた描写は凄みさえ感じました。 ついでにMG42のマズルフラッシュも大変なことに。 

紅い眼鏡、ケルベロス共々の主役の千葉氏の異常にメリハリの効いた演技、そして実写なのにアニメのキャラクターのような動きはこのお話全体を引き締めている、というか千葉氏のキャラクターあっての作品だなぁ、と。

 □トーキングヘッド
  >個人的にはこれが一番刺激的でした。 主役の千葉氏を通して語られる押井氏の映画観、映画論とミュージカル風劇中劇が同時進行で進むスタイル。 

劇中、不慮の事故で亡くなった作画監督の遺言として語られるアニメーションのキャラクターと俳優が演じるキャラクター、その入れ物の差から生じる利点と弱点についてのシーンは目から鱗が何枚もボロボロと落ちていくのを感じました。 その後、どんどん広がっていく映画論と比例して、劇中劇の結末もさぞかしドラマチックな展開になるのかな?と映像を見ながら感じていたのですが、残念ながらその辺りはちょっと不完全燃焼かも。 これはもう一度台詞を確認しながらゆっくり見てみたいです。

 □押井守氏について。
  今まで人狼やパトレイバー関連イベント等々で押井守氏に関わる人達のお話は何度か聞いたことがあるのですが、勝手に想像していた以上の雰囲気をお持ちになっている方でした。 というか、ファンになりました。

http://modelfplus.com/